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2005年8月31日 (水)

12.妊婦のお茶事情(Written by はなみ)

2003年08月25日

今回のリレーコラム担当、本当はnulunuruさんなのです。
が、しかし。
お盆を前に彼は遠いところに。(いや、転勤されたんですけどね)
そのドタバタのドサクサで書かずに行っちまいました。
ぬるさん、ワンパスね。
次回はきっと「ワインと破産」についてみっちり書いてくださることでしょう。
・・・・

と、いうことではなみがつながせていただきます。

しかし、わたくし、今年の夏は「お茶日照り」でした。
それは、夏の初めに妊娠が発覚してからのことです。

6月の終わり(当時妊娠2ヶ月末)、いつものように
お茶を楽しもうと思ったある日のこと。
その当時の一番のお気に入りのお茶、中国茶の「武嶺野生茶」を淹れました。
野生茶というのは、茶樹の世話をいっさいしない茶畑で、自然にのんびりと
育った茶葉から作られるお茶。
おおらかなその香りの中にはいろんな香草のような香りもまざり、
台湾の山深い茶畑に思いを廻らせることのできる大好きなお茶。

しかし、その日はいつもと具合が違った。
「ん?」
なんだか味も香りもどーも違う。あれ? 濃く淹れすぎたかな?
薄く入れても同じ。
なんだか舌の上にざらざらとしたものが残るような感じ。
・・・美味しく感じないのである!

そのころから徐々に「つわり」の様相を呈してきたわたし。
「妊婦は味覚が変わる」とは聞いていたけれど、
お茶が美味しく思えなくなるなんて、軽くショックだった。

そんなある日、お煎茶のお稽古に出かけた。
つわりもまだ本格的ではないころで、気分も体調も良かったし、
気にせず出かけたのだが・・・
いつもなら、何杯飲んでも平気なお煎茶、
これがかなり体にコタえたのである。

お煎茶のお茶碗は御猪口のように小さくて、量もそんなに飲んでない
はずなのに、テキ面、「茶酔い」状態に。
目が回る回る、体がふらふらする、わたし、一体どうしちゃったの!?

おそらくお煎茶のタンニンやらカフェインやらが原因と思われた。
自分でもびっくりするほど、刺激物に弱くなっているようである。

むぅー、それじゃあ一体何を飲めばよいのだ。

そんな時、ハタと思い当たる。
「ほうじ茶って、タンニンもカフェインも少ないのよね、たしか」
これがビンゴだった。
ほうじ茶は美味しく飲めるのであった。

水を得た魚のように、喜び勇んで「うまいほうじ茶」を買うことに。

かねてアーメイさんから「丸八製茶場の加賀棒茶はうまい」と聞いていたので、
さっそく買いに行く。
袋詰めのリーズナブルなものもあったが、
なにせ他のお茶が美味しく感じられない状態のわたしとしては、
この際「いっちばんイイの」を奮発することに。

その「献上加賀棒茶」はうやうやしく和紙に包まれた銀色の茶筒に入っていた。
その茶葉、というかお茶の茎の、なんと均一で美しいことか!
焙じた香りもたまらなく素晴らしい。
はー、このうまい茶でつわりを乗り切れる、と喜びつつ、さっそくいただく。

・・・・・
!?
どうしたことか。
旨くないのである。
なんだか軽く発酵したような酸味が後味に残る。

・・・妊婦のお口には合いませんでした。(涙)

きっとね、普通の状態で飲んだらとっても美味しいんだと思うのよ。
・・・・つわり終了まで封印である。

そんな高級ほうじ茶ではなく、スーパーでなにげに買った
290エンそこそこのほうじ茶が一番美味しく感じるなんて・・・・
なにやらそこはかとなく情けないのであった。

そうこうしているうちに、つわりも真っ盛りとなり、
お茶どころか、口に入れるものすべてに頭を悩ます日々が続く。
「食べづわり」というのか、常にちびちび食べていないと
気持ちが悪いというタイプのつわりで、
その時期、自分のからだの中の胃とばかり向き合っていた。


お盆も過ぎ、ようやくそろそろ安定期を迎えるかな、という
この頃、つわりもずいぶん落ち着いてきたように感じる。

暑さもあって、お茶を淹れることから随分遠ざかっていたのだが、
クーラーのきいた部屋で退屈をもてあましていたある日、
ふと、「中国茶淹れてみようかな」という気が頭をもたげた。

おそるおそる、「阿里山烏龍茶」をいれてみる。
ながーいことほったらかしていた茶壷たちはほこりをかぶっている。
道具を清めて、お湯を沸かして、ていねいにお茶を淹れる。
忘れていた時間の感触が甦る。
夕方の日ざしの中にゆったりと湯気がのぼる。

はあああぁ・・・。おいしい。

そんなにいい茶葉ではなかったけど、たまらなく美味しく感じる。
茶壷のなかでふやけて広がった茶葉も、いつもより愛しい。


つわりって、あかちゃんを「異物」として感じた体が、
いろんな免疫機能を働かせることで起こると考えられているそうだ。

わたしの体も、ここしばらく、自分の変化についていけずに
とまどっていたんだろう。

ようやく、あかちゃんを受け入れてなれてきたわたしのからだ。
それとともに、お茶も以前のように美味しく楽しめるようになった。

時間をかけてお茶を楽しむことも、
生まれてくる子供を愛おしむことも、
どちらもこれからのわたしにとっては、
あたりまえの楽しみになりそうな気がする。

これから、秋。
またしみじみお茶を楽しむのにいーい季節がやってきます。

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