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2005年8月31日 (水)

9.小さな壁の向こう側(Written by スモモ)

2003年05月07日

















今日はちょっと
いや、うんと
化学なお話



























植物は小さな壁の中で生きています。
正確には「植物細胞は」です。

どんな細胞も
その周りには細胞膜と言われる
2分子分の厚さの薄い膜で覆われています。

さらに植物細胞は
動物細胞にはない
堅く厚い皮が細胞膜の中にあります。
それが細胞壁です。

細胞壁セルロースで出来ており
これは植物の骨格を作り上げると同時に
膜としての機能を持っています。

この細胞壁がお茶の抽出
とっても重要な役割を果たします。

このセルロース膜半透膜と呼ばれ
小さな分子は通すけど
大きな分子は通さない

小さな穴がたくさん空いています。

ちょうどその分かれ目の大きさが
タンニン(今風に言うとポリフェノール)です。
茶葉に含まれるタンニン
特に茶カテキンと呼ばれる
ポリフェノールの中では一番小さな
一群のカテキン類
(カテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、…)
です。


それと、膜の向こうとこっちの
小さな分子の濃度を一定に保とうとする力が働きます
これが皆さんも一度はどこかで聞いたことがある
浸透圧
です。


さて、このセルロース膜に覆われた世界の中に
茶葉の成分が閉じこめられているのです。



この小さな壁の向こう側から
我々の住む世界
出てきてもらわなくては
おいしいお茶がいただけません。


そこで、抽出という作業が必要になります


この抽出は、
いわゆる「お茶をいれる」
事に他なりません。

これって、
うまい人がやるとおいしいけど
下手な人がやると…
ですよねぇ〜。



と、いうことで
ここからがこの話の本番です。
前振りが長くてごめんなさい。



なんと!
お茶の抽出の仕方で
セルロース膜の外に出す成分を
コントロールできるのです!



そのためには
熱について少し勉強していただかないと行けません。
で、ココで書くのは面倒なので
こちらをご覧下さい。

と、いう風に
熱(温度)=分子の乱雑な運動
なのです。
と、いうことは
温度が高いほど激しい運動をしています。
すなわち温度が高いほど
成分が膜にぶつかる回数と勢いが増えます。

その結果、短い時間で
味や匂いの成分が
セルロース膜を通り抜けられます。

だったら、冷たい水でゆっくり出しても
熱いお湯で素早く出しても
同じ味になるのでは?
と、思ったあなた!
するどい!






その疑問はとっても良い疑問ですねぇ。
先生、ちょっと嬉しくなってしまいます。






確かに
ミネラルや有機酸などの
小さな分子については
十分に時間をかければ
温度によらずほぼ同じ濃度になるのですが…



良くお茶を飲む方はご存じだと思いますが
熱いお湯でお茶を出すと
とっても渋くなってしまいます。
この渋さはタンニンが原因です。

先ほど書いたように
セルロース膜の穴は
このタンニンがちょうど
通れるか通れないかくらいなのです。

そんな茶葉に
熱いお湯を注ぐとどうなるでしょう。



タンニンの運動速度が大きくなり
激しく膜にぶつかります。

その結果、
低温では抽出されなかった
渋み成分である
タンニンが大量に抽出されて
渋くなるのです。


また、抹茶が渋いのは
タンニンを通せんぼしていたセルロース膜
徹底的にすりつぶしてしまうため
茶葉に含まれていたタンニン
お茶にたっぷり含まれているためなのです。








ここから先は…







次回のスモモの予告
壁に空いた小さな傷
乞うご期待!



■今回の筆者■ スモモさん
・・・「スーーー・・・・・・ はぁ〜・・・・」この方、かなりの香りフェチ。聞香杯を鼻からなかなか離しません。胸一杯香りを堪能される姿は愛らしくも、室内の酸素濃度が急に下がる気もいたします。お煎茶のお点前は一度見ただけでかなりマスター。先生からも「なかなか筋がいいわよ」と一目置かれる存在。管理人そっちのけで盛り上がるBBSが有名な(だがメインコンテンツは日記「おやじの世迷いごと」)「李や桃より…」の管理人さんでもあります。

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