買う力を鍛える
昨日、打合せで尾道に行ってきた。
久々の尾道、せっかく行くんだから、タコス屋ハルディンと豚饅屋長江と今川玉香園に行きたい!と思いつつ、打合せの正確な場所も所要時間も分からず、車で連れて行ってもらう立場上、あまりあちこち好き放題には行けないかもと思いつつ。
午後からの打合せは3時過ぎに終了。打合せ場所はド街中ではないものの、車で街中に行けないことはない場所。ワガママ言わせてもらって、車を尾道市役所横の駐車場に入れてもらう。
今川玉香園茶舗
商店街から細い路地に入ったところにある、明治11年創業の老舗茶舗。
友人がこちらに依頼してブレンドした「温泉茶」なるものを、広島市内の食と雑貨のセレクトショップGENERAL STORE 84(はちよん)で販売したり喫茶教室やお茶会したりしている。
お目当てのお茶で一散財すると、若いご主人が試飲してみますか?と誘ってくださる。
せっかくなので(これを断る茶馬鹿は居るまい)、誘われるままに店の奥へ。ぎゅっと詰めて3人座れる程度のスペース、テーブルには茶器がいろいろ。しっかり使い込まれた泡瓶が味わい深い。
ああ、この雰囲気には覚えがある。台湾のお茶屋さんだ。茗心坊とかの雰囲気。わくわく。
渋味のきいたお茶と旨味のあるお茶とどちらが好きですか?と聞かれて、渋味の方と答える。
それぞれ二煎までいただいた。
旨味のお茶の二煎めが一番好きだった。その次は渋味のお茶の一煎め。
あれ?ひょっとして、まろやかな旨味の中にひとつ芯が通ったお茶が実は私の好みかもしれないなぁと、ふと思った。
そういう経験をして、お茶屋さんはアイドルプロデューサーみたいだなぁと思った。失礼の物言いだったらごめんなさい。例えば、きりっと爽やかな美人さんと、ほわんと丸々しい可愛い女の子をユニットにして売り出すのが良いのか悪いのか、それぞれの良さを引き立てられるのか潰し合ってしまうのか。
消費者は何を求めているのか。美人が好きな消費者もいるし、可愛い子が好きな消費者もいる。時代の要請もある。消費者自身が時流に流されず自分の好みを知っているとも限らない。
ひとつひとつのお茶の特性をきちんと説明して貰って自分の好みをしっかり自覚する。その上でお茶屋さんを信頼して、そのお茶屋でブレンド(合組)されたお茶を買う。
こんなに情報を惜しみなくいただける有り難さに感謝しつつ、それに甘えない、でも享受させていただく。
なんでも安く買うことができる今この時代に、もちろん消費者として賢く安く買うことは必要なのだが、自分自身が何に幾ら金を支払うのかとの、「買う力」を鍛えるのは必要なんだろうなぁと思ったのでした。
暮らしの中で日常的に行きつけのお茶屋さんを持つことは大切。実家では当たり前に行きつけのお茶屋さんがあって、でも広島にやって来て何十年も経つけど、お茶が好きといいながら今住んでいるこの街でそういうお茶屋さんを探してこなかったのが悔やまれる。うちの家はここのお茶をずっと買ってるんだよと言う友人もいた。そんな気になる店は2~3あったんだけど、お店に入る勇気がちょっとばかり無かったね。
自分ひとりのことでなく、できるだけみんなにお茶を気軽に飲んでもらいたいと思うお茶ファンとしても、いろいろ悩ましいなぁ。
余談ですが、こどもの頃からかりがねスキー(好き)なので、今川玉香園さんのかりがね全種類(玉露かりがね3種、煎茶かりがね3種)を大人買いしたい衝動にかられたが、さすがに自重しました。そのうちコンプリートしてやるぜ!
昨日の尾道・今川玉香園さんでの茶散財の結果を晒してみました( ・∇・) posted by (C)さとたえ
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