お盆の風景
処暑の候。
昨日、23日は二十四節気「処暑」 太陽黄経150度、暑さが峠を越えて後退し始める頃。
毎日毎日、猛暑日で昼間はまだ人肌気温なのですが、昨夜は空気も涼しく虫の声も聞こえて、アメダスを見ると風向が北に移る時間も早くなってた。間違いなく処暑の候。
今年はアニメーションフェスティバルがあったりで、7月終わり頃から倒れそうになるのを何とか堪えて走り続けて、お盆に帰省もできず。
一段落した今、お盆の風景をふと思い出してみる。
お盆というと、広島では浄土真宗・安芸門徒の彩り賑やかな色紙を使った盆燈籠(ただし初盆は白のみ)が有名だけれど、私の田舎・島根県松江市では宗派にかかわらず、麻を刈って乾燥させた『麻(あさ)がら』が墓の花立てに差し込まれるのだった。高さは2メートル以上あるだろう。子供の身長では見上げるほどだった。
お盆中の寺の墓場は、夜のお参りのために電球が張りめぐらされ、その中に白い『麻がら』が至るところ立つ風景、それが私のお盆の原風景。
亡くなった祖母曰く「これを目印にご先祖さまがやってくるよ」 私「全部同じで分からんよ、おばあちゃん」 祖母「ご先祖さまは分かるんよ」 …子供の私は納得したもんだ。
そうして、お盆の墓場は自分ちの墓を見つけて降りてきた、ご先祖さまの霊でにぎやかだ。
お墓参りして自宅にお連れして、まるで帰省してきた生きてる家族親族と同じように暮らすんだ。でも、生身で生きている訳じゃない。面と向かって話したり、何かをしてあげられる訳じゃない。
やがて、送り盆の前日には『麻がら』は抜き取られて、墓場の決められた置き場所に置いておくと業者に渡り、焼却される。
そして、送り盆の夜には、川から湖へ灯籠流しが流れていく。ふだん見慣れている川や湖も、その日だけはあの世に続く通い道だ。
胡瓜の馬でやってきて麻がらのアンテナからお墓に降りて、灯籠流しであの世への道を送られ茄子の牛で帰っていく。……子供の頃の私の脳内では、毎年そんな風景が繰り返されてきた。
暮らしの中で、生と死をなんとはなしに感じ取って、大人になってきたんだと思う。
そんなことを何気に思い出す、処暑の翌日。
★麻がらの写真はないかと検索して見つけたページ⇒ 麻の里 - 独酌独語 - Yahoo!ブログ
麻がらは短く切ったものを胡瓜の馬や茄子の牛の足に使うほか、自宅で迎え火・送り火として焚く地方もあるようです。
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